←第4話 マラテヤ―カッパドキアへ
→第6話 再びイスタンブールへ
★
7月31日(木)
あまり体験したことがない、柔らかな光で目が覚めました。
仰向けで寝ている自分の目の前にあるのは洞窟内の滑らかな岩肌。
まだ夢を見ているのだろうか?と少し混乱をしながら体を起こし、近くにある眼鏡を手繰り寄せながら、昨日の夜遅くにカッパドキアに到着し、この洞窟ホテル「Vezir Cave Suites」に宿泊したことを思い出しました。
立ち上がりカーテンを開けます。
すると、そこには数十キロ先まで見渡せる風景が広がっていました。
涼しい空気と、まだそれほど色が濃くなっていない水色の空。静かに浮かんでいる気球。
写真集で見たことがある風景が、現実に目の前に広がっていることに混乱しつつ、しばらく茫然と眺めていました。
テラスで景色を眺めたり、写真を撮ったりしてのんびり過ごした後、地上階に降りて、周囲にそびえる奇岩を眺めながら朝食。
トルコのトマト入りスクランブルエッグ「メネメン」が美味しかったです。
(これは家でも作れそう…!)
多くのホテルが正午チェックアウトなのに対して、こちらのホテルは10:30がチェックアウト時間と少し早め。
部屋から出て、重いスーツケースを持ちながら外階段を下りていくのもなかなか得られないユニークな体験でした。
とてもフレンドリーで親切で温かいスタッフと一緒に写真を撮って、このギョレメ地区から10kmほど離れたウチヒサール地区のホテルへと出発しました。
スタッフのお兄さんとパンツの色がかぶりました。
★
ウチヒサールへ向かう途中の高台から、先ほどまでいたギョレメを見渡します。
すごい風景の中にいたんだなあと、改めて感動…。
そして、小高い岩山のすそ野に広がる町ウチヒサールへと向かいます。
この日の宿は、「Argos in Cappadocia」。
タクシーがホテルのレセプション前に到着。
小道の脇に「Reception」というプレートが付いた小さな石造りの建物があり、そこがホテルのレセプションでした。
入ってみるとラウンジが併設されているだけの小さな建物です。
ホテル自体はどこにあるのだろう?と不思議に思いましたが、このホテルは大きな建物があるわけではなく、集落のように客室やレストランなどが分散しているという構成であることを知りました。
コンセプトとして「an ancient village with a reception desk(レセプションデスク付きの古代集落)」ということを掲げています。
もともとの建築を破壊して新しいホテルを作り出すのではなく、ウチヒサールに残る古い修道院や家屋、地下トンネルなどの廃墟群を修復して、再生させるという、ホテルというよりも都市計画の考え方に近い壮大なプロジェクトであることを知りました。
それゆえに、53ある客室はすべて元の建物が異なるため、一つとして同じ客室はないようです。
★
チェックイン時間の14:00よりも3時間も早く着いてしまった私たち。
12時には入れるようにするので、ラウンジで待っていてほしいとのこと。
スタッフの女性に促され、小道に出て階段を下り、段々畑状になった集落を歩くと「Seki Restaurant」という別棟に案内されました。
(ふと、店名を見て、ハウジングこまち編集部の関先輩を思い出す私…)
ちなみにSekiとは、トルコ語でテラスを意味する言葉だそうです。
Seki Restaurantの上階にあるSeki Loungeのテラスに出ると、ハーブガーデンと渓谷を見渡す素晴らしい景色が広がっていました。
まだ午前中ですが、のどが渇いたのでトルコで最もよく飲まれているEFESビールを注文。
冷えたビールが体に沁みわたります。
もう今日はどこにも行かなくていいな、と思いました。
★
12時過ぎに部屋に入ります。
部屋もまた素敵なつくりでした。石造りのシンプルな空間にバランス良くアンティークやモダンなデザインが取り入れられており、とても品があり落ち着きます。
あえて客室にテレビを置いていないのもいいです。
その代わりにBGM向きの音楽が入ったiPodと小型スピーカーがベッドサイドに置かれています。
飾りではない本物の暖炉があり、隣には薪も用意されています。
空調は個別でコントロールできないようになっており、自然換気を推奨するなどエコリゾートとしての意識も高いです。
実際いくつかの窓を開け放てば風が気持ちよく抜けるため、特に冷房の必要はありません。空調の音がないことで、周囲の自然の音がクリアに感じられ、いまカッパドキアにいることをより強く実感できるようでした。
なんとなく昼間からシャワーを浴び、昼寝をしたり、外を眺めたりして午後を過ごしました。
特にどこに行かなくてもいい気分にさせてくれる心地いい部屋でした。
つづく
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7月31日(木)
あまり体験したことがない、柔らかな光で目が覚めました。
仰向けで寝ている自分の目の前にあるのは洞窟内の滑らかな岩肌。
まだ夢を見ているのだろうか?と少し混乱をしながら体を起こし、近くにある眼鏡を手繰り寄せながら、昨日の夜遅くにカッパドキアに到着し、この洞窟ホテル「Vezir Cave Suites」に宿泊したことを思い出しました。
立ち上がりカーテンを開けます。
すると、そこには数十キロ先まで見渡せる風景が広がっていました。
涼しい空気と、まだそれほど色が濃くなっていない水色の空。静かに浮かんでいる気球。
写真集で見たことがある風景が、現実に目の前に広がっていることに混乱しつつ、しばらく茫然と眺めていました。
テラスで景色を眺めたり、写真を撮ったりしてのんびり過ごした後、地上階に降りて、周囲にそびえる奇岩を眺めながら朝食。
トルコのトマト入りスクランブルエッグ「メネメン」が美味しかったです。
(これは家でも作れそう…!)
多くのホテルが正午チェックアウトなのに対して、こちらのホテルは10:30がチェックアウト時間と少し早め。
部屋から出て、重いスーツケースを持ちながら外階段を下りていくのもなかなか得られないユニークな体験でした。
とてもフレンドリーで親切で温かいスタッフと一緒に写真を撮って、このギョレメ地区から10kmほど離れたウチヒサール地区のホテルへと出発しました。
スタッフのお兄さんとパンツの色がかぶりました。
ウチヒサールへ向かう途中の高台から、先ほどまでいたギョレメを見渡します。
すごい風景の中にいたんだなあと、改めて感動…。
そして、小高い岩山のすそ野に広がる町ウチヒサールへと向かいます。
この日の宿は、「Argos in Cappadocia」。
タクシーがホテルのレセプション前に到着。
小道の脇に「Reception」というプレートが付いた小さな石造りの建物があり、そこがホテルのレセプションでした。
入ってみるとラウンジが併設されているだけの小さな建物です。
ホテル自体はどこにあるのだろう?と不思議に思いましたが、このホテルは大きな建物があるわけではなく、集落のように客室やレストランなどが分散しているという構成であることを知りました。
コンセプトとして「an ancient village with a reception desk(レセプションデスク付きの古代集落)」ということを掲げています。
もともとの建築を破壊して新しいホテルを作り出すのではなく、ウチヒサールに残る古い修道院や家屋、地下トンネルなどの廃墟群を修復して、再生させるという、ホテルというよりも都市計画の考え方に近い壮大なプロジェクトであることを知りました。
それゆえに、53ある客室はすべて元の建物が異なるため、一つとして同じ客室はないようです。
★
チェックイン時間の14:00よりも3時間も早く着いてしまった私たち。
12時には入れるようにするので、ラウンジで待っていてほしいとのこと。
スタッフの女性に促され、小道に出て階段を下り、段々畑状になった集落を歩くと「Seki Restaurant」という別棟に案内されました。
(ふと、店名を見て、ハウジングこまち編集部の関先輩を思い出す私…)
ちなみにSekiとは、トルコ語でテラスを意味する言葉だそうです。
Seki Restaurantの上階にあるSeki Loungeのテラスに出ると、ハーブガーデンと渓谷を見渡す素晴らしい景色が広がっていました。
まだ午前中ですが、のどが渇いたのでトルコで最もよく飲まれているEFESビールを注文。
冷えたビールが体に沁みわたります。
もう今日はどこにも行かなくていいな、と思いました。
★
12時過ぎに部屋に入ります。
部屋もまた素敵なつくりでした。石造りのシンプルな空間にバランス良くアンティークやモダンなデザインが取り入れられており、とても品があり落ち着きます。
あえて客室にテレビを置いていないのもいいです。
その代わりにBGM向きの音楽が入ったiPodと小型スピーカーがベッドサイドに置かれています。
飾りではない本物の暖炉があり、隣には薪も用意されています。
空調は個別でコントロールできないようになっており、自然換気を推奨するなどエコリゾートとしての意識も高いです。
実際いくつかの窓を開け放てば風が気持ちよく抜けるため、特に冷房の必要はありません。空調の音がないことで、周囲の自然の音がクリアに感じられ、いまカッパドキアにいることをより強く実感できるようでした。
なんとなく昼間からシャワーを浴び、昼寝をしたり、外を眺めたりして午後を過ごしました。
特にどこに行かなくてもいい気分にさせてくれる心地いい部屋でした。
つづく
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