中国湖南省の古い町「鳳凰古城」に行ってきました。

こんにちは!編集部の鈴木です。
9月19日(土)~23日(水)の5日間、中国湖南省の西部の町、鳳凰古城(Fenghuang Gucheng)に行ってきました。

「…どこそこ?」と思われる方が多いと思いますが、中国内陸部の湖南省に位置する古い街で、明清時代の街並みが残っています。「中国一美しい古城」と称されたりもするそうです。
また、このエリアに暮らすのは、苗(ミャオ)族や土家(トゥチャ)族などの少数民族が大多数。
建築だけでなく衣服や工芸品などにも独特の文化が見られます。
中国人にとってはとても有名な観光名所となっているようですが、外国人旅行者がまだまだ少ない場所でもあります。

そんな鳳凰古城。日本語の情報が少なく、あまり詳しい情報を持たないまま、Googleの画像検索で出てくる美しい風景写真に衝撃を受けて夫婦で行ってきました。

と言うわけで、僕自身がたいした解説ができるわけでもないため、写真を中心に簡単な旅行レポートと致します。


まず見て頂きたいのがこちらの写真。
町の中心を流れる陀江河の両岸に、壁のように建物が連なる風景が見られます。
旅行前にスマートフォンでGoogle画像検索で出てくる写真を見ながらゾクゾクしていましたが、実際にこの景色を前にして鳥肌が立ちました…。

別の場所からはこのように見えます。
川沿いにびっしりと立ち並ぶ建物は、2階より上が宿になっているものが多く、そこに宿泊する旅行者が風景の一部になっているんですね。
旅人が景色を見に来るだけでなく、旅人が景色をつくり出す。これもまた鳳凰古城の面白さです。

川沿いのカフェからの景色も素晴らしかったです。
街歩きも楽しいですが、カフェの窓辺の席からゆっくりと行き交う小舟を見ているスローな時間もとても良かったです。

別のカフェを通りからのぞくとこんな風に見えます。
暗い店内越しに広がる川辺の景色…。
気がつけば同じお店の前を通るたびにシャッターを切っていました。
同じお店は夜になるとこんなふうに見えます。(こちらはちょっと広角で)

そのお隣のカフェもいい雰囲気でした。

ちなみに窓はシングルガラス。冬は寒いかもしれませんね。

このカフェから路地を見るとこんな感じになっています。
ガラスを隔てた目の前が路地!
このカフェで左を見れば川沿いの開放的な景色。
右側を見れば猥雑とした賑やかな路地。
まったく別々の旅情を楽しめるカフェです。
川を見ていても、通りを行き交う旅行者や売り子を見ていても飽きることがありません。

こちらの写真がこのカフェの外の路地です。
この狭さと程よい暗さが何とも心地よいです。まるで迷路のように路地が旧市街に広がっています。(実際、迷子になりかけました…)
インドのバラナシや、クロアチアのドブロブニクなどの世界の有名な旧市街にも通じるものがありました。

路地には名産品を売るお店や食堂、カフェやバーなどがあります。
ちなみにバーは中国語で「酒吧」と書きます。

お土産屋の前に猫がいたり、

苗族のおばあさんが刺繍をしながら手芸品を売っていたり、

この地方の特産品のキウイなどのフルーツを道で売っていたり、
道がただの移動のためではない、人が交流する場として機能しているのも面白いですね。


川沿いには城壁が残る場所もあります。歴史を感じさせるレンガ造りの壁が味わい深いです。

僕たちが事前に「Booking.com」で予約していたのは、川から少し離れた小高い斜面に建つ宿。

川沿いの賑わいを間近では感じられませんが、旧市街を見渡せる景色が素晴らしかったです。
朝目覚めたときの、モヤがかかった鳳凰古城がきれいでした。(電線がちょっと邪魔でしたが…)

こちらは旧市街の名所となっている屋敷の建具。非常に手の込んだ装飾が見られます。
明清時代の職人魂が感じられますね…。

夜になると鳳凰古城はまた別の趣を感じさせます。
提灯に明かりが灯り、石造りの町を穏やかに、そして幻想的に照らし出します。
 

町には観光客向けのお店だけではなく、地元の人が日常的に使うカゴ製品を扱う専門店もありました。

そして、夜最も印象的だったのがこの川沿いの夜景です。
見る人によっては品がないと思うかもしれませんが(…行く前は僕自身がそう思っていました)、実際ものすごい迫力でした。
巨大な花火大会を見ているときのような感動が味わえました! 

昼間訪れたカフェもこんな雰囲気になっていました。
吊脚楼と呼ばれる川辺の建物は、川の上へとせり出した部分が木の柱によって支えられている独特の建築様式。
川に浸かっている木は腐らないのか?ランダムに支えているように見える柱に何か規則性はあるのか?
そもそもなぜ川にせり出そうとしたのか?
さまざまな疑問は今度時間があるときに調べてみたいと思います。 

さらに旧市街を歩いて行くと、大きな広場でたくさんの人が集まって体操をしていました。
ライトアップされた建築物の前でエアロビクスのように体操をする人々!
(結構簡単なので、僕らも後ろで混じって体操をしてきました)
小さなスケールから大きなスケールまで、実にバリエーションに富んだ公共空間が用意されている街、鳳凰古城。
その風景の美しさだけでなく、都市としての合理性や人間味にもあふれているように感じました。

また、大陸の「城」と日本の「城」の根本的な違いは、日本の城は城壁の外側に町があるのに対して、大陸の城の城壁は町を丸ごと取り囲んでいること。
それゆえに、城壁に囲まれた内側にある町は一つの共同体としての一体感があり、公共性の高い都市空間となっています。

ただ、中国も多くの町がこのような古都が持つ合理性よりも、経済性を優先した味気ない町が多いように思います。
古ければいいという訳ではありませんが、先人が築いた資産を残して生かすことがそのエリア価値向上に繋がり、ひいては個人の暮らしの価値も引き上げてくれるのでは、と思います。

日本でも対策が急がれる空き家問題や地域の衰退化の問題。
住宅・建築・都市、さまざまな視点、さまざまなスケールから暮らしやエリアの価値について考えていく必要があると改めて思いました。

ちなみにご参考までに今回の旅行スケジュールと費用を記載しておきます。

■スケジュール
1日目:新潟→(飛行機)→上海→(飛行機)→張家界。★張家界に宿泊。
2日目:張家界→(バス)→鳳凰古城。★鳳凰古城に宿泊。
3日目:鳳凰古城に滞在。★鳳凰古城に宿泊。
4日目:鳳凰古城→(バス)→張家界→(飛行機)→上海。★上海に宿泊。
5日目:上海→(飛行機)→新潟

■費用合計 約119,330円
(内訳)
 国際線往復 47,090円
 中国国内線往復 37,240円
 現地滞在費 約35,000円

鳳凰古城を地図で見ると中国の辺境に見えますが、新潟からでも5日間あれば行けてしまいます。
12万円の旅費が高いか安いかは人それぞれですが、中国の旧市街や建築・都市に興味がある方には特別な経験になりそうです!

また、中国の大手検索サイト「百度」のストリートビューで、鳳凰の町を散策するように眺めることができます。
http://goo.gl/9NY5o7

以上、中国湖南省鳳凰古城のレポートでした!
また5日以上の休みがあれば、どこかの旧市街に出かけてみたいです。

ハウジングこまち編集部 鈴木亮平

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