LIXILさんの外壁タイルセミナーに参加してきました

こんにちは!編集部の鈴木です。

先日LIXIL新潟支店さんで開催された「外壁タイル弾性接着剤張りセミナー ~タイル張りの安全性向上とコスト低減の工夫~」に参加してきました。

こちらは主にホテル・公共施設・マンション等の大規模建築物用の外壁タイルに関する話が中心の業界向けセミナーですが、住宅情報メディアの私は知識の幅を広げるために出席してきました。

軍艦島に見られるタイルのすごさ

セミナーは、近年話題の長崎の軍艦島のスライドショーからスタート。
軍艦島と言えば、かつて海底炭鉱の採掘地として隆盛を極めた島で、無人島となった現在、廃墟ファンにとってだけでなく、軍艦島クルーズが行われるなど多くの人に注目されている場所です。

1916年に日本初の鉄筋コンクリート造の高層マンションが建てられたという、100年前の最先端の町でもあった軍艦島。
無人島になって数十年が経過した今、それらの建物は厳しい自然環境によってすべての構造物の劣化が進んでいます。島はすべて劣化したコンクリートの灰色一色の世界ですね。

が、なんとそのなかで色鮮やかに残っているものがありました!
小中学校の壁に貼られたタイルです。タイルは塩害に非常に強いんですね。
タイルの強さを実感させられる写真でした。
コチラのブログで詳しいレビューが載っていましたので、ご参考までに。)

と、数年前軍艦島を訪れたことがある廃墟ファンの私としては興味津々な内容でした。
もしまた軍艦島を訪れる機会があったら、色鮮やかなタイルに注目をしたいと思います。

さらに、東京理科大学の調査によると、タイルが張られた部分はコンクリートの中性化(劣化)がほぼゼロだったという結果が出ているそうです。

住宅では、タイルはインテリアの意匠として使われることが多く、キッチンや洗面室にアクセントとしてモザイクタイルがあしらわれる例を多く見かけます。
しかしタイルの性能は意匠性だけではなく、建物を長寿命化させるのにも大きく貢献します。

進化するタイル接着技術

その後セミナーでは、そんなタイルがこれまで抱えてきた課題の話に移りました。
それは、時間の経過と共にはがれたり、ヒビが入ったり、白華と呼ばれる汚れが出てきたり…という現象です。
それにより、建物の劣化が進んだり、補修のコストが発生したりします。

それを解決する方法が、従来の「モルタル張り」ではなく「弾性接着剤張り」にするということ。
簡単に説明をすると、弾性接着剤はモルタルよりも柔らかく弾性があるので、建物の振動や変形にも対応できるので、結果的にタイルが守られる、という話です。


しかも弾性接着剤は軽量化が進み、職人さんの腕への負担も軽減されてきたいるので、結果的に施工の質も上がると考えられているとか。

セミナー後半では、職人さんによるタイル張りの実演も。職人さんが手際よく、ねっとりした弾性接着剤をこねて、くしで伸ばして、タイルを貼り付けます。くしで伸ばす作業が楽しそうです!




弾性接着剤で張ったタイルはその後のメンテナンス費用が抑えられるというメリットもあり、建物にも、職人さんにも、オーナーさん(公共施設なら一般市民ですね)にも優しい、という訳ですね!

あまり考えることがない外壁タイルの役割や、技術の進歩のご紹介でした。
マンション購入予定の方は、事前に外壁タイルにも注目してみるといいかもしれませんね♪

取材協力:LIXIL新潟支店
参考HP:剥落防止のために「接着剤張り工法」のご提案(LIXIL HP)

(ハウジングこまち編集部 鈴木亮平)

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