築30年の家が、自然素材に包まれた癒やしの空間に変身!

こんにちは、編集部の鈴木です。

前回の記事に引き続き、少し前の見学会レポートです。
(先月師走で忙殺されているうちにいくつかのブログ記事を貯めてしまいましたので、今月随時アップしていきます…!)

先月12/17(土)・18(日)に新潟市中央区女池で開催していた、有限会社丸正建設(新潟市西区五十嵐二ノ町)のリノベーション見学会を訪問しました。

丸正建設は大工職人を抱える地場の工務店ですが、最近は自然素材と繊細な設計力を持って、設計から施工までを一貫して行うアーキテクトビルダー化しています。
現代表の古俣忠孝さんが、数年前に長く務めていた設計事務所を退職し家業である丸正建設に入社。そして、そのタイミングで本社敷地内に自邸を新築しました。
その新築した自邸を予約制のモデルハウスとしても活用しており、無垢材をふんだんに使った温もりあふれる空間を体感できます。
特にダイニングから眺める庭の景色が素敵なので、ぜひたくさんの方に体感して欲しいです。
ちなみに、2014年に本ブログでも紹介しているので、気になる方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

さて、そんな丸正建設ですが、築30年の住宅をリノベーションで全く異なる家に生まれ変わらせました。
では写真と共に紹介していきましょう。またしても、ディテールの写真ばかりですので、丸正建設のブログも合わせてご覧いただくと全体像がつかめます。

まず玄関ポーチですが、壁から付きだしているのはマリンランプ。夜になると美しい陰影が現れそうです。軒下には杉板が貼られているのが見えます。


1階にはLDKと水回りがありますが、印象的なのがこちらのキッチン。
素敵なタイルが壁一面に貼られています。
なんとこのタイル、2017年春に放送されていた火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』で登場した主人公達が暮らすマンションのキッチンのタイルと同じものなのだそうです。
淡い色合いと、自然な歪みのある表面の質感が素敵です。

落ち着いたデザインなので、今後数十年経っても飽きることなく眺められそうです。
そのタイルの壁面を生かすために、吊り戸棚などを設けずにシンプルな棚板を一枚だけ設置。こだわりのコーヒー豆を並べたらスペシャルティなコーヒーを出すカフェのような雰囲気になりそうですね。

ちなみにこのキッチン、上が吹き抜けになっています。
上にはガラス張りのキャットウォークがあり、そこはゲストからは見えない物干しスペースになっています。
そこからキッチンを見下ろすこともできます。

上から見た雰囲気も素敵の一言。

次にリビングですが、こちらは6畳の小上がりで、そこに造作のソファーがあります。

畳にソファー。くつろげる空間にさらにくつろげる要素を重ねています。
畳で遊ぶお子さんを、ソファーに座って眺める暖かいシーンが目に浮かびます。
幅が広いので、これは寝転がるのにも最高の場所になりそうです。
うっかりソファーから落ちても、そこが床でなく畳というのがいいですね。

向かい側にはTVボードも造作されています。

窓辺には引き込み式の3枚の障子が収められています。

このように引き出されます。端に付いている金具を押すと持ち手が飛び出す仕組みで、見た目もすっきりシンプルで美しい。

こちらはキッチンとリビングの間にあるダイニング。

階段についているのは八角形の手すり。
壁は漆喰塗り。光が柔らかく反射され、陰影もきれいで癒やされます。
外壁は秋田杉の鎧張り。ギンモクセイの木が眺められます。
洗面室は白いスクエアタイルが木で造作した洗面台や棚と相まって、爽やかな空間になっています。スチールのタオル掛けがアクセントとして利いています。
新築と見まがう素敵な空間ですが、築30年を経た住宅のリノベーションです。
もちろんデザインだけでなく、断熱改修・耐震改修もされているので性能面も安心。

実は代表の古俣さんは、以前務めていた建築事務所では主に現場監理を担当していたそうです。豊富な現場経験と設計力を持ち、熟練の自社大工職人を抱えているからこそ、このような手の込んだリノベーションをフットワークよくスムーズに実現できるのだと思います。

これからは既存の住宅を生かす「ストック型社会」と言われていますが、リフォームが新築に対しての妥協策ではないことが分かる素敵な実例でした。

取材協力:有限会社丸正建設

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