新潟で建築/デザインを手掛ける「スイカノタネ」を訪問!

こんにちは!編集部の小林です。

先日、ずっと気になっていたデザイナー/一級建築士の方の事務所に訪問してきました。
普段は「編集」というお仕事に携わっていながら、
本来編集の仕事である「企画立案」が苦手な私。
今回訪問した建築・デザイン事務所「スイカノタネ」の近藤さんは、
「頭の中どうなってるの?」というほどアイデアに富んだ方でした。

スイカノタネさんを見つけたのは今年の初め頃。
ネットサーフィン中にステキなリノベーション実例が載ったサイトを発見したのです。

写真提供:スイカノタネ

新潟市内のマンションの一室をまるっとリノベーションした実例に目を引かれました。
現在、近藤さんが事務所として使っているこのマンションの一室。
なんだかとっても前衛的なデザインに仕上がっていますが、
水回りの設備、収納もしっかり備えた空間なんです。
「いずれここを出て、売りに出そうと思っています」と近藤さん。
確かに、男性の一人暮らしとかにはもってこいな住まいです。

なんといっても特徴的なのは、この壁。


近くでみるとこんな感じ。
荒々しいようですが、遠くから見ると上品な印象も受ける不思議な仕上がりです。


床は越後杉を使って仕上げています。
節のないフローリング材のような無垢の床もいいですが、
節のある越後杉は、ワイルドさもあり、まさに「自然の床」という印象に。

写真提供:スイカノタネ


玄関横のキッチンはこじんまりとしていますが、
コンロも2口あって一人暮らしには問題ないサイズです。
近藤さんがご自身で貼ったというサブウェイタイルが、いい雰囲気。

写真提供:スイカノタネ

玄関から室内を見てみます。
狭いワンルームの部屋だからこそ、間仕切りと扉はガラス×木材で造って開放感をアップ。
ちなみにこの木材、全部ホームセンター(ムサシ)でカットしてもらったそうです。
ガラスはネットで購入したというから驚き!

さて、ここまで、今回わたしが訪問したスイカノタネの事務所のご紹介をしてきました。
前述したとおり、近藤さんが「アイデアに富んだ方」というのは
なんとなく理解いただけたのではないでしょうか。

↑事務所でお仕事をされる近藤さん。

近藤さんは新潟出身なのですが、東京の大学を卒業したのち渡英。
ウエストミンスター大学を卒業し、そのままロンドンのアリソン・ブルックス建築事務所に就職します。
4年ほど勤務し、ビザが切れるタイミングで日本に戻ることを決意。
2014年に地元・新潟に戻り、2015年にスイカノタネを始めたと話します。

アリソン・ブルックス建築事務所では建物そのものの設計はもちろんですが、
建築にまつわる周りの環境(道路だったり公園だったり)の設計も行っていたそう。

2017年に事務所が完成し、現在は住宅リノベーションの設計・監修(時に施工)や、
デザイナーのお仕事を中心に活動されています。

例えば、アクアリウムソイル「結-YUI-」のロゴデザインだったり、

↑水泡のようにも、アクアリウムソイルの形状のようにもみえる「結」のロゴ。
いとへんにお魚が隠れているのがかわいらしい。
写真提供:スイカノタネ

デザイン・企画会社「studio mufufu」のメンバーとして活動されたり、


 


studio mufufu のブックレット。
近藤さんのアリソン・ブルックス建築事務所勤務時代の建築作品なども載っています。
studio mufufuは、食器やカトラリー、web、名刺、アート作品のデザインだけでなく、
ブランディング、コンサルティングなども手掛けています。

大林印刷さんとコラボして和紙のペンダントライト「yamayama」を造ったり。

komemonoというブランド立ち上げにも携わったそう。
ブランドロゴも近藤さんデザイン。「こめもの(込め物)」とは、活版印刷で紙に余白を生み出すために組版に組み込むもの。ロゴマークはこの「込め物」の形になっています。
(こちらは3月8日・9日にアオーレ長岡で開催された「ニイガタidsデザインコンペティション2018」に出展されました。ご覧になった方もいるのでは?)

と、近藤さんの活動を挙げればキリがないのでここら辺にしておきますが、
「建築」だけでなく、様々な分野においてデザイン、さらにはブランディングを行っているのです。

しかし、大学~アリソン・ブルックス建築事務所勤務時代まで、建築のお仕事一本だった近藤さん。
なぜ新潟に来て、建築以外のお仕事をたくさん行っているのか、尋ねました。
「建築一辺倒で考えが凝り固まって仕舞わないように、さまざまな分野の仕事に携わらせてもらってるんです。常にアイデアや企画を考えて、柔軟な発想ができるようにしてます」

近藤さんはデザインを考えていく際に、「対象の物事を注意深く観察して、誰にとって価値があるのか、どんな物語があるのか、少し視点や観点をずらして足し引きする」そう。
これは建築でも同じこと。暮らす人にとってはもちろん、周辺環境ないしは周囲で生活している人にとって、最大限に価値を引き出した「住まい」を設計するのが、設計士さんのお仕事だと言えるのでしょう。

柔軟な発想で、建築・デザインを手掛ける近藤さん。
ちなみに「古町が好きな人が古町を活性化させるために集うゆるい団体」である古町セッションの管理人もつとめています。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?


編集部 小林
写真提供:スイカノタネ

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