神奈川県座間市にある「ホシノタニ団地」に行ってきました。

こんにちは!編集部の鈴木です。

週末神奈川県の相模原・厚木・海老名エリアに出掛けていましたが、その途中、今日本の集合住宅のリノベーションで高い注目を集めている「ホシノタニ団地」に立ち寄りました。

こちらは現在発売中の建築専門誌「新建築」2015年8月号の表紙になっているので、業界の方の間での知名度は特に高いと思われます。

ホシノタニ団地は、神奈川県座間市の小田急線座間駅から徒歩1分の場所にある築約50年の団地で、もともとは小田急電鉄の社員寮として使われていたものだそうです。

その建物を、リノベーション業界をリードするblue studioがフルリノベーションしたのがこのホシノタニ団地。


詳細は各リンクを見て頂ければと思いますが、いくつかの新しい仕掛けを上げてみます。

①子育て支援センター
南側の棟の1階部分には座間市が運営する子育て支援センターが入っています。

実は自分も新潟市内の旧団地をリノベーションした部屋に住んでいて、室内はなかなか面白いのですが、このような人が集まれる場所は今のところないのです。僕たちの向かいの部屋は去年赤ちゃんが生まれた夫婦の世帯。時折、赤ちゃんが激しく泣いているのを聞くことがあるのですが、ご主人がいない平日の昼間などには奥様がひとりで苦労しているのではないかと心配してしまいます。うちにはまだ子どもがいないので、同じ立場でフォローし合うということもできず、団地に子育て支援センターがあれば…、と思っている奥様がきっとたくさんいるのだろうなあと感じていたので、この「子育て支援センター」が団地内にあるというのはとても便利なことだと思います。



②シェア農園
座間駅前という立地ながら、なんと広場に畑があります。会員制のサポート付きの貸し農園になっていて、僕たちが訪れた日曜の朝も農作業を楽しんでいる方が何人もいらっしゃいました。団地に住む方はもちろん、団地外に住む方も集まれる楽しい場所となっています。



③ドッグラン
団地内はペットOK!しかも団地居住者用のドッグランがあります!戸建ての持ち家でドッグランを作るのは、土地もお金も必要で誰もができることではありません。しかし、団地ならみんなで共有するので結果的に一人あたりの負担は少なくて済むという合理性があります。



④カフェ
シェア農園でとれた野菜を使った料理を出すカフェが1階にあります。カフェは民間が運営するものでありながら、その役割はかなり公共性が高いもの。カフェがあることで、外へと開かれた団地になっています。(残念ながら朝に訪れたため、開店前でした…)


そして、各部屋はそれぞれ37平米ですが、スタジオタイプ(間仕切りをなくしたワンルームタイプ)なので広く見えます。ゆったりとした1人暮らしや、夫婦向けという感じですね。間仕切りがないので、使い方の自由度も高そうです。デザインもシンプルでカッコいい。→詳細はコチラを。

家賃はほとんどの部屋が70,000円&72,000円。首都圏でこの広さがあり、共有施設が充実していて、駅まで徒歩1分。とてもリーズナブルに思えますね。

これまで築古の賃貸はネガティブな印象が強いものでしたが、使い方や役割を見直すことでここまで価値を引き出すことができるのか!というお手本のような団地に見えました。

プロジェクトのコンセプトには、ただ団地の価値を上げるだけではなく、このエリア自体の価値を高めたいという思いがあるそうですよ。
住まいは自分が占有する空間だけでなく、取り囲む環境も楽しい方がいいですよね。
今回は新潟から離れて、そんな新しい取り組みを見学してきました。





参考リンク:
ホシノタニ団地公式HPblue studio ホシノタニ団地ページホシノタニ団地Facebookページ

(ハウジングこまち編集部 鈴木亮平)

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